2006年10月08日

常磐線は今日も行く-映画『フラガール』と思い出のハワイアンセンター-

huragirl.jpg

北茨城人の僕は映画『フラガール』の舞台である
福島県いわき市はもちろん地元ではないけれど、
同じ、常磐道、常磐線の延長にある同市のハワイアンセンター
少年の頃、何度か行った愛着ある思い出の場所の一つだ。

今年の6月頃に常磐線沿線の各駅で貼られ始めた
フラガールのポスターを観た時は地元が沸き立つような感触が
あって妙に嬉しく思ったもんだった。この辺りの地域が
全国的にフューチャーされる機会ってあまりないもんだから。



フラ発祥の地であるハワイに僕は行ったことがないけれど、
あの場所の人々を癒す力はどうやら本物のようだ。

日本でも海や山は人を元気づけてくれる
パワースポットとして存在しているけれど、
ハワイ島にあるマウナ・ロア山、キラウエア山は
現在も激しく噴火し、新しい大地を創造し続ける
世界最大の活火山であり、地球のエネルギーを
最もダイレクトに感じることのできる究極の
パワースポットであるらしい。

あるテレビ番組で、その火山を女神ペレとして崇拝し
フラを踊る先住民の姿を観た。
そこにあるフラ本来の姿は今の商品化されてしまった”フラダンス”とは違い、
大自然や万物を愛し称える崇高な踊りであり、
その精神性や神々しい美しさは芸術性を持つものであった。


閑話休題。
映画『フラガール』は昭和40年、エネルギー革命と共に
閉山を余儀なくされた福島県いわき市の炭鉱会社が構想した
レジャー施設「常磐ハワイアンセンター」の物語だ。
「一山一家」(一つの炭鉱を掘るのに全員が一丸となって団結するという意味)
の精神でいつまでも山に固執する人々と、ハワイアンセンターに
わずかな希望を見出すごくごく少数の人々との軋轢。
否応無しに訪れる時代の流れが炭鉱に落した現実は
救いようもなく絶望的といえる。
しかし、そこから新しい時代を築きあげようと「フラガール」に
志願する女性の強さは、女性ならではといえるのではないだろうか。

「男とは現実的で神経が太く、強いもの。女はロマンティストで
神経が繊細で弱いもの」という一般的な思い込みは全くの幻想であり、
実際は正反対であるという実感が、最近僕の中で深まりつつある。
「中小企業の社長が会社の倒産で首をつることはあっても
女性の社長は「ない袖はふれない」とばかりに気持ちを切り替える
ことができる」と美輪明宏が言っていたが、この炭鉱の女性達も
全くその通りだったのではないだろうか。


いつしかハワイアンセンターは「一山一家」の事業へと発展し、
フラがただの裸踊りだと勘違いしていた炭鉱の女性達も
フラ本来の精神性をもって踊るようになっていく。

物語のエンディングは昭和40年1月15日(昔の成人の日!)、
ハワイアンセンターオープン時のフラ鼓舞の場面だ。
厳しい現実に負けない強さと土地や人々に対する深い愛を携え
物凄いエネルギーで踊るその姿は、老若男女に心を震わせるものがあり、
僕は思わずここが劇場にいることを忘れ、スクリーンに向かって賞賛の
拍手を送りそうになってしまった。


「だがらいい映画だっていったっぺー。」

関係者でもないのに劇場からでた僕は
なんだか得意げな気分だった。
posted by リョウタ・グッドマン at 23:17| Comment(0) | TrackBack(6) | 邦画(映画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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